赤ら顔の要因には、体質や生活習慣だけでなく、『顔ダニ』と呼ばれる存在が関係している場合があります。
顔ダニは多くの人の肌に存在するものですが、肌環境が乱れることで増殖し、赤みやブツブツ、かゆみなどの症状を引き起こすことがあります。
これらの症状が現れたら、適切な治療・セルフケアが必要です。
この記事では、顔ダニと赤ら顔の関係性について詳しく解説します。赤ら顔の治療方法や顔ダニの増殖を防ぐスキンケア方法もまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。
赤ら顔と顔ダニの関係性
赤ら顔は、顔の一部または全体が赤く見える状態のことで、体質や生活習慣などさまざまな要因によって引き起こされます。
近年では、その要因の一つとして『顔ダニ』との関係が注目されています。顔ダニは人間の皮膚に常在するダニですが、肌の状態によっては赤ら顔を悪化させる可能性があるのです。
ここでは赤ら顔と顔ダニの関係性について解説します。
赤ら顔とは
赤ら顔とは、頬や鼻を中心に顔の赤みが目立つ状態のことです。
生まれつき血管が透けやすい体質の方もいれば、後天的な要因で赤みが出やすくなるケースもあります。
例えば、皮膚が薄い・乾燥しやすい・刺激に弱いといった肌質では、外部からの影響を受けやすく、赤みが出やすくなります。
また、寒暖差や紫外線、入浴後や運動後など血流が良くなるタイミングで赤みが強くなるケースも少なくありません。刺激の強い食べ物やストレス、不適切な化粧品・スキンケアなども悪化要因とされています。
このように赤ら顔はさまざまな要因によって引き起こされるため、原因を一つに決めつけず、肌全体の状態を見ながら対処法を考えることが大切です。
顔ダニとは
顔ダニとは、一般に『ニキビダニ』と呼ばれる、とても小さなダニの一種です。
肉眼では見えないほど小さく、主に顔の毛穴や皮脂腺の中に生息しています。
顔ダニは多くの人の皮膚に自然に存在しているため、見つかったからといって必ずしも問題があるわけではありません。通常は皮脂や古い角質などを栄養源として生活しており、皮膚の環境の一部として共存しています。
しかし、皮脂の分泌が過剰になったり、肌のバリア機能が低下したりすると、顔ダニが増えることがあります。顔ダニが増殖すると、さまざまな肌トラブルの原因となるため注意が必要です。
顔ダニの増殖が赤ら顔を悪化させる可能性がある
顔ダニが増えすぎると、赤ら顔が悪化する可能性があります。
赤ら顔や敏感肌の方は、皮膚のバリア機能が弱まっていることが多く、外からの刺激に反応しやすい状態となっています。
このような肌では、顔ダニの活動による刺激が炎症につながり、赤みやほてりが強く出ることがあるのです。特に頬や鼻、あご周りなど皮脂が出やすい部位では影響を受けやすいとされています。
ただし、赤ら顔の原因が必ず顔ダニにあるとは限りません。紫外線や乾燥、生活習慣など複数の要因が重なっているケースも多いため、自己判断で過度なケアを行うのは避けましょう。
症状が続く場合は皮膚科で相談し、肌状態に合った対処を行うことが大切です。
顔ダニが増殖する原因
顔ダニが増殖する主な原因として、以下の4つが挙げられます。
- 誤ったスキンケア
- 生活習慣の乱れ
- マスクの蒸れ
- 加齢による免疫機能の低下
ここでは上記4つの原因についてそれぞれ解説します。
誤ったスキンケア
誤ったスキンケアは、顔ダニが増殖する大きな原因の一つです。
例えば、メイクや皮脂汚れが十分に落としきれていないと、それらが顔ダニのエサになり、増えやすい環境を作ってしまいます。クレンジングや洗顔の回数が少なすぎる場合だけでなく、流し残しがある場合も注意が必要です。
反対に、洗いすぎも問題になる場合があります。
洗浄力の強いクレンジングやゴシゴシ擦る洗顔を続けると、肌に必要な皮脂まで落としてしまいます。すると肌は乾燥を防ごうとして皮脂を多く分泌し、結果的に顔ダニが増えやすくなるという悪循環に陥ることがあるのです。
また、肌質に合わないスキンケア用品を使うことも、皮脂バランスを崩す原因になります。自分の肌状態や肌質に適したスキンケアをすることが大切です。
生活習慣の乱れ
生活習慣の乱れも、顔ダニの増殖に深く関係しています。
睡眠不足や強いストレスが続くと、自律神経のバランスが崩れやすくなります。その影響で皮脂の分泌が活発になり、顔ダニにとって過ごしやすい環境が整ってしまうのです。
また、偏った食事にも注意が必要です。脂っこい食事や甘いものを多く摂ると、皮脂の過剰分泌につながることがあります。
さらに栄養バランスが乱れることで、肌の調子を整える栄養素が不足しやすくなり、皮脂量のコントロールが難しくなります。
顔ダニ対策のためにも、肌全体の健康を保つためにも、規則正しい生活と栄養バランスの整った食事を心がけることが大切です。
マスクの蒸れ
マスクの着用による蒸れも、顔ダニが増えやすくなる原因の一つです。
マスクの内側は呼吸によって湿度と温度が高くなりやすく、皮脂分泌も活発になります。この高温多湿の状態は、顔ダニにとって非常に快適な環境となるため、増殖しやすくなるのです。
さらに、マスクを外したときに肌の水分が一気に蒸発すると、肌は乾燥しやすくなります。乾燥を補おうとして皮脂が多く分泌されると、顔ダニのエサが増え、増殖につながることがあります。
長時間マスクを着用する場合は、肌を清潔に保ち、保湿ケアを行うことが重要です。
加齢による免疫機能の低下
加齢による免疫機能の低下も、顔ダニの増殖に影響します。
体全体の免疫機能が落ちることで、普段は問題にならない程度の顔ダニでも、肌トラブルを引き起こしやすくなることがあります。
加齢そのものを止めることはできませんが、保湿を中心としたスキンケアや健康的な生活習慣を心がけることで、肌環境を整えることは可能です。
年齢に合わせたケアを続けることが、顔ダニの増殖を防ぐポイントになります。
顔ダニが引き起こす症状
顔ダニが引き起こす主な症状として、以下の3つが挙げられます。
- 赤みやブツブツ
- 乾燥やかさつき
- かゆみ
ここでは上記3つの症状についてそれぞれ解説します。
赤みやブツブツ
顔ダニが増えることで、顔に赤みや小さなブツブツが出やすくなることがあります。
特に頬や鼻の周り、あご、額など皮脂が出やすい部分に見られることが多く、肌全体が赤く見える状態になる場合もあります。
これらのブツブツはニキビと似ていますが、面ぽう(皮脂が溜まった状態)が形成されることはない点が特徴です。また、洗顔後や汗をかいた後、入浴後などにほてりやヒリヒリ感を覚えることもあります。
炎症が続くと赤みが引きにくくなり、常に顔が赤い状態になるケースもあります。
乾燥やかさつき
顔ダニの増殖によって肌のバリア機能が弱まると、乾燥やかさつきを感じやすくなります。
その結果、肌表面がざらついたり、粉をふいたような状態になったりすることがあります。
乾燥が進むと肌のキメが乱れ、化粧水がなじみにくい、ファンデーションが浮きやすいと感じるケースも少なくありません。
かゆみ
顔ダニが増殖することで、かゆみやむずがゆさが現れる場合もあります。
特に夜間や入浴後、運動後など体が温まったタイミングで症状が強まる場合が多いです。これは、顔ダニの活動が活発になる時間帯と重なるためと考えられています。
かゆみは肌の表面だけでなく、皮膚の内側からじわじわと出てくるように感じる場合もあります。強いかゆみがあると、無意識に掻いてしまい、赤みや炎症の悪化につながるケースも少なくありません。
掻くことで肌に傷がつき、色素沈着を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。
顔ダニにより起こる赤ら顔の治療方法
顔ダニによって起こる赤ら顔の主な治療方法は以下の通りです。
- 外用薬・内服薬
- アドバテックスレーザー
- エレクトロポレーション・イオン導入
- IPL光治療
ここでは上記4つの治療方法についてそれぞれ解説します。
外用薬・内服薬
顔ダニが関係する赤ら顔では、外用薬や内服薬が用いられることがあります。
主に顔ダニの数を抑えたり、肌の炎症を和らげたりする目的で処方されます。
外用薬・内服薬のどちらも副作用のリスクがあるため、医師の管理のもとで使用する必要があります。自己判断で市販薬を使い続けるのではなく、症状に合った薬を使用することが大切です。
アドバテックスレーザー
アドバテックスレーザーは、顔の赤みや肌トラブルに対して用いられる医療レーザー治療の一つです。
589nmと1319nmの2つの波長のレーザーを照射することで、赤みの原因となる血管への作用と、肌質改善の両方を目指します。
刺激を抑えつつ熱エネルギーを肌の奥まで届けられるため、敏感肌の方やレーザー治療に不安がある方も施術を受けられます。
赤ら顔が気になる方はもちろん、ニキビ・ニキビ跡や毛穴開き、皮脂トラブル、肌のハリ・ツヤなどさまざまなお悩みに対応できる治療方法です。
エレクトロポレーション・イオン導入
エレクトロポレーションやイオン導入は、美容成分を肌の奥まで届けることを目的とした治療方法です。
微弱な電流を利用することで、普段のスキンケアでは届きにくい層まで成分を浸透させます。
赤ら顔の場合は、保湿や肌を整える成分を補うことで、バリア機能をサポートする効果が期待できます。個人差はあるものの、施術後すぐに肌の変化を感じる方も多い治療方法です。
2週間~1か月に1回程度のペースで継続することで、安定した状態を保ちやすくなるでしょう。
IPL光治療
IPL光治療は、特殊な光を肌に照射することで、赤みや肌トラブルの改善を目指す治療方法です。
毛細血管に作用することで、赤みが目立ちにくくなる効果が期待できます。
赤ら顔だけでなく、シミ・そばかす・くすみ・毛穴の黒ずみ・ニキビ・ニキビ跡など、幅広い肌悩みに対応できます。症状によって向き不向きがあるため、医師と相談の上で治療を検討しましょう。
顔ダニの増殖を防ぐスキンケア方法
顔ダニの増殖を防ぐスキンケア方法として、以下の7つが挙げられます。
- 清潔な肌環境を維持する
- 肌への摩擦や刺激を避ける
- 紫外線対策を徹底する
- 保湿ケアを徹底する
- 食生活を改善する
- 質の高い睡眠をとる
- ストレスをため込まない
ここでは上記7つのスキンケア方法についてそれぞれ解説します。
清潔な肌環境を維持する
顔ダニの増殖を防ぐには、清潔な肌環境を維持することが大切です。
顔ダニは皮脂やメイク汚れをエサにするため、洗顔で余分な汚れをきちんと落としましょう。
ただし、洗顔のしすぎは逆効果になる場合があります。皮脂を落としすぎると、肌は乾燥を防ごうとして皮脂を多く分泌しやすくなるためです。
洗顔は朝と夜の1日2回を目安にし、泡で包み込むようにやさしく洗いましょう。
肌への摩擦や刺激を避ける
肌をゴシゴシ擦る洗顔やタオルで強く拭く行為は、肌の表面を傷つけ、バリア機能を弱めてしまいます。
バリア機能が低下すると、外からの刺激に敏感になり、炎症や皮脂バランスの乱れにつながるため注意が必要です。
洗顔時は、しっかり泡立てた泡を使い、指が肌に直接触れないよう意識しましょう。洗顔後はタオルでゴシゴシと拭くのではなく、軽く押し当てて水分を吸い取る程度にとどめるのがポイントです。
紫外線対策を徹底する
顔ダニの増殖を防ぐためには、季節を問わず紫外線対策を徹底することが大切です。
日焼け止めは肌にやさしく刺激の少ないタイプを選び、毎日使う習慣をつけましょう。SPF・PAの数値が高すぎるものはかえって肌への負担になることもあるため、自分の肌質や普段の生活に合ったものを選ぶのがポイントです。
帽子や日傘を併用するなど、物理的に紫外線を遮る対策も効果的です。
保湿ケアを徹底する
保湿ケアは、顔ダニ対策において非常に重要なポイントです。
洗顔後や入浴後は、できるだけ早く保湿ケアを行いましょう。化粧水だけで終わらせず、乳液やクリームで水分を閉じ込めることが大切です。
スキンケア用品は、セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分が含まれたものを選ぶことをおすすめします。敏感肌の方の場合は、アルコール・香料・着色料が含まれていないものを使うと良いでしょう。
食生活を改善する
食生活の乱れは皮脂分泌の増加につながり、顔ダニが増えやすい状態を作ります。
脂っこい食事や甘いもの、加工食品を多く摂ると、皮脂の分泌が活発になりやすいため注意が必要です。野菜・果物・魚などを取り入れ、栄養バランスの整った食事を意識しましょう。
特に抗炎症作用が期待できるオメガ3脂肪酸や、免疫機能を高めるビタミンCが含まれる食品を積極的に摂ることで、赤みの改善をサポートできます。
質の高い睡眠をとる
睡眠不足が続くと肌のターンオーバーが乱れ、バリア機能が低下しやすくなるため、質の高い睡眠をとることが大切です。毎日できるだけ同じ時間に寝起きし、睡眠リズムを整えましょう。
就寝前はスマートフォンやパソコンの使用、アルコールやカフェインの摂取などを控え、リラックスできる環境を作ることも大切です。睡眠の質が高まることで、肌の状態が整いやすくなります。
ストレスをため込まない
ストレスはホルモンバランスを乱し、皮脂分泌や肌の免疫力に影響を与えます。
ストレスが続くと、普段は問題にならない程度の顔ダニでも、肌トラブルにつながることがあるため注意が必要です。
そのため、自分なりのストレス解消法を見つけましょう。軽い運動や入浴、趣味の時間を持つなど、心身を休ませる時間を意識的に取り入れてみてください。リラックスできる時間を確保することで、健康的な肌の状態を目指せます。
まとめ
顔ダニは誰の肌にも存在する身近な存在ですが、皮脂の過剰分泌やバリア機能の低下などが重なることで増殖し、赤ら顔の悪化につながることがあります。
顔ダニにより起こる赤ら顔は、薬やレーザー治療、イオン導入、IPL光治療などによって症状の改善が期待できます。これらの治療に加えて日々のスキンケアや生活習慣を見直すことで、肌環境が整いやすくなるでしょう。
千里皮膚科では、顔ダニによる赤ら顔の治療にも対応しています。
顔ダニの症状と間違われやすいニキビの治療も可能なため、肌の症状でお悩みの方はぜひ当院までご相談ください。
監修医師紹介
院長
花岡 佑真
経歴
- 2005年智辯学園和歌山中学校・高等学校 卒業
- 2011年大阪大学医学部 卒業関西労災病院 初期研修医
- 2013年関西労災病院 皮膚科
- 2015年大阪みなと中央病院 形成外科
- 2016年大阪大学大学院医学系研究科皮膚科 特任研究員(形成外科診療にも従事)大阪国際がんセンター 腫瘍皮膚科
- 2018年大阪大学大学院医学系研究科皮膚科 特任助教
- 2020年大阪大学大学院医学系研究科皮膚科 病棟医長
- 2021年10月千里皮膚科 開院
資格・所属学会
- 日本専門医機構認定皮膚科専門医
- 難病指定医
- 日本皮膚科学会所属
- 日本形成外科学会所属
- 日本皮膚外科学会所属
- 日本皮膚悪性腫瘍学会所属
- 日本美容皮膚科学会所属
