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2026.02.08

インプロスカースティック|『傷痕を残したくない』新たな傷跡予防法

手術後や外傷後の傷跡(瘢痕)ケアにおいて、シリコンを用いたアプローチは国際的なガイドラインでも推奨される標準的な手法です。その中でも「インプロスカースティック」は、従来のシートタイプやジェルタイプの欠点を補完する独自の設計思想を持っています。

本稿では、その製品ラインナップと機能的特性について多角的に解説します。

形成外科について詳しくはこちら

シリコンスティック技術の基本構造

インプロスカーは、世界で初めて「スティック状」に固形化されたシリコン・ベースの瘢痕ケア製品です。

  • 〇密閉(オクルージョン)効果:塗布すると肌表面に微細なシリコン膜を形成し、角質層からの水分蒸散を抑制。瘢痕組織の正常な成熟をサポートします。
  • 〇物理的保護:衣服の摩擦や外部刺激から敏感な新生皮膚を保護します。

〇非侵襲性:皮膚に貼るシート剤とは異なり、剥がす際の角質剥離リスクがないため、肌の弱い方でも使用しやすい設計です。

ニーズに応じた3つの製品ライン

インプロスカーの最大の特徴は、単一のケアに留まらず、生活環境や傷跡の状態に合わせたバリエーションを展開している点にあります。

インプロスカースティック(標準タイプ)

最も基本的な透明タイプです。

  • 〇特徴:塗布後が非常に目立ちにくく、ベタつきが少ない。
  • 〇用途:就寝前のケアや、衣服に隠れる部位の日常的な保護に最適。

インプロスカースティック50(UV保護タイプ)

瘢痕ケアにおいて最大の敵となる「紫外線」への対策を強化したモデルです。

  • 〇特徴:SPF50相当の紫外線カット機能をシリコン膜に付加。
  • 〇機能:傷跡は非常に日焼けしやすく、一度色素沈着(炎症後色素沈着)を起こすと消えにくい性質があります。物理的な保護とUVカットを同時に行うことで、長期的な美容的予後を改善します。

〇用途:顔、首、手足など、日光に曝露する部位のケア。

インプロスカースティック50コンシール(色あり)

傷跡の赤みや色ムラを視覚的にカバーしながらケアするタイプです。

  • 〇特徴:シリコン膜に肌色のピグメント(色素)を配合。
  • 〇機能:ケアを継続しながら、同時に傷跡を周囲の肌色に馴染ませる「メイクアップ効果」を提供します。精神的な負担を軽減しつつ、治療的環境を維持できます。

〇用途:結婚式や人前に出る機会、あるいは赤みが強く目立つ時期のケア。

使用上の臨床的アドバイス

      インプロスカーの効果を最大化するためには、以下の物理学的・生理学的プロセスを理解しておく必要があります。

      • 適応時期

      創傷が完全に閉鎖(上皮化)した直後から使用を開始することが推奨されます。炎症期から増殖期にかけての早期介入が、その後の瘢痕の盛り上がりを左右します。

      • 〇傷やレーザー照射後

        かさぶたが取れた後、浸出液がなく、皮膚が再生している状態から使用を開始

      • 〇手術後
        抜糸後から使用を開始(※患部に出血や浸出液がある場合は使用を控えてください。)

      継続期間

      瘢痕の成熟には通常3ヶ月から1年を要します。スティック型はその手軽さゆえに、この「長期にわたる継続」を容易にします。

      最低2〜3ヶ月、できれば6〜12ヶ月続けるようにしましょう。

      使用方法

      塗る前に患部を清潔にしてください。
      摩擦や洗浄後(例:手洗い・運動・着替え後)に追加塗布が必要です。
      化粧をする場合:スティック塗布⇒完全乾燥⇒メイクの順。
      就寝前は特に気にせずご使用ください。

      〇使用回数(推奨)顔周り:1日2回朝晩、身体:1日3~5回

      • 洗浄

      1日に12回は患部を洗浄し、古い膜を落としてから塗り直すことで、皮膚の清潔を保ちながら効果を維持できます。

        価格

        製品名

        内容

        価格(税込) 

         インプロスカースティック

         標準タイプ

         10,560円

         インプロスカースティック50

         UV保護タイプ

         11,440円

         インプロスカースティック50コンシール 

         UV保護タイプ(色あり) 

         12,320円

         

        症例紹介(メーカー提供)

        インプロスカー Q&A:よくある疑問と回答

        Q. いつから使い始めるのがベストですか?

        A. 傷口が完全に閉じ、抜糸が終わった直後、あるいは「かさぶた」が自然に取れた直後から開始してください。傷が開いている状態や、浸出液が出ている状態では使用できません。

        Q. 1日に何回塗ればいいですか?

        1. A. 基本は朝と晩の12です。ただし、洗顔や入浴、激しい運動で汗をかいた後などは、シリコン膜が薄くなっている可能性があるため、塗り直すことを推奨します。

        Q. UVタイプは、普通の日焼け止めと何が違うのですか?

        A. 一般的な日焼け止めは「紫外線を防ぐ」ことが主目的ですが、インプロスカースティック50や50コンシールは「シリコンによる瘢痕ケア」と「紫外線防御」を同時に、かつ一層の膜で行える点が異なります。傷跡は非常に日焼けしやすく、色素沈着を起こすと数年単位で残るため、露出部にはUVタイプが不可欠です。

        Q. コンシールタイプの上にメイクはできますか?

        A. はい、可能です。インプロスカーを塗布して数分置き、膜が安定した後にファンデーションやパウダーを重ねてください。コンシールタイプ自体に色補正効果があるため、厚塗りを防ぐことができます。

        Q. どれくらいの期間、継続すべきですか?

        A.  瘢痕の成熟(赤みが引き、白く平らになるプロセス)には、部位や個人差によりますが、通常3ヶ月〜1年程度かかります。少なくとも最初の3ヶ月間は毎日継続して使用することが、良好な予後への近道です。

        Q. 古い傷跡にも効果はありますか?

        A: 形成されてから数年経った古い傷跡でも、乾燥による痒みや引きつれの緩和、質感の改善に役立つことがあります。ただし、盛り上がったケロイドを完全に平坦にするには、新しい傷跡に使用するよりも時間がかかる、あるいは医療機関での治療併用が必要な場合があります。

        まとめ

        インプロスカースティックは、医療用シリコンの保護機能に「UVカット」や「カラーカバー」といった実用的な付加価値を融合させた製品です。単なる傷跡の保護に留まらず、患者さんやユーザーの生活背景(外出の頻度、見た目のケア)に合わせた選択肢を提供することで、瘢痕管理の質を一段階引き上げています。

        傷跡ケアは24時間365日の積み重ねです。大変ですが、頑張って続けるようにしましょう!

        監修医師紹介

        院長

        院長 花岡佑真花岡 佑真

        経歴

        • 2005年智辯学園和歌山中学校・高等学校 卒業
        • 2011年大阪大学医学部 卒業、関西労災病院 初期研修医
        • 2013年関西労災病院 皮膚科
        • 2015年大阪みなと中央病院 形成外科
        • 2016年大阪大学大学院医学系研究科皮膚科 特任研究員(形成外科診療にも従事)大阪国際がんセンター 腫瘍皮膚科
        • 2018年大阪大学大学院医学系研究科皮膚科 特任助教
        • 2020年大阪大学大学院医学系研究科皮膚科 病棟医長
        • 2021年10月千里皮膚科 開院

        資格・所属学会

        • 日本専門医機構認定皮膚科専門医
        • 難病指定医
        • 日本皮膚科学会所属
        • 日本形成外科学会所属
        • 日本皮膚外科学会所属
        • 日本皮膚悪性腫瘍学会所属
        • 日本美容皮膚科学会所属
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