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2025.11.18

ウイルス性イボ

ウイルス性イボとは

ウイルス性イボは、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV:ヒトパピローマウイルス)が皮膚や粘膜に感染することで発生する皮膚疾患です。医学的には「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)」と呼ばれ、俗に「石イボ」とも言われる硬いブツブツとして現れます。HPVには100種類以上の型が存在し、特にHPV 2a型・27型・57型が一般的なイボの原因となります。これらのウイルスは人から人への直接接触や、プール、ジムなどの公共施設での間接的な接触により感染します。

感染から発症まで16ヶ月の潜伏期間があり、初期は数mm1cm程度の小さく平らな丘疹として現れますが、時間とともに皮膚細胞が異常に増殖して厚く硬くなり、大きく成長していきます。主に手足の指、手のひら、足の裏に発生し、子どもに多く見られますが年齢を問わず誰でも感染する可能性があります。複数のイボが近くにできると互いに癒合して、一つの大きな塊を形成することもあります。

通常、体の免疫システムがウイルスを排除しようとしますが、このウイルスは巧みに免疫を回避して皮膚に定着してしまうのが特徴です。一般的に痛みやかゆみはありませんが、足の裏や指にできた場合は歩行時の圧迫により痛みを感じることがあり、巨大化して亀裂が生じると痛みを伴います。特にお子さんの足に「たこ」や「うおのめ」のような症状が見られる場合、その多くは実際にはウイルス性イボです。

顔面や首にできた場合は、細く糸状に飛び出した形になることがあり「糸状疣贅」や「指状疣贅」と呼ばれます。また、顔には扁平疣贅(3型、10型のHPVが原因)という平たいタイプのイボができることもあります。その他のHPV関連疾患として尖圭コンジローマ(6型、11型)などもありますが、それぞれ感染部位や治療法が異なります。

ウイルス性イボはうつる?

施術までの流れウイルスが原因のため、イボに触れると他の部位に感染が広がる可能性があり、足のイボを触った手で他の部位を触ることで自分の体内でも感染が拡大します。
日常的によく見られる疾患のため感染源の特定は困難です。
なお、「イボ」と呼ばれるものの中には、脂漏性角化症(老人性疣贅)や軟性線維腫など、ウイルスが原因ではない皮膚のできものも含まれますが、これらは人から人へ感染することはありません。

適切な治療により改善が可能ですので、早めの受診をお勧めします。

ウイルス性イボの種類と原因

ウイルス性イボ

ウイルス性イボは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染により発生する皮膚疾患です。HPV100種類以上の型が存在し、感染する型により、イボの形状や発生部位が異なります。

尋常性疣贅

最も一般的なウイルス性イボで、HPV2a2757型などが原因となります。主に手指や足底に発生し、表面がざらざらとして角質が厚く硬いのが特徴です。

扁平疣贅

HPV3、1028型などが原因で、主に若い年代の女性の顔や手の甲に発生します。表面が平らで小さく、肌色から淡褐色を呈する特徴があります。

ミルメシア

HPV1a型などが原因で、子どもの足裏によくみられます。面状に盛り上がった形で中央が少しへこんでいることが特徴的です。しばしば赤く腫れ、痛みを伴うこともあり、うおのめと鑑別が必要となる場合があります。

尖圭(せんけい)コンジローマ

性器周囲に発生するウイルス性のイボで、HPV 611型が原因となります。性行為を介して感染するため、皮膚科・婦人科・泌尿器科での専門的な治療が必要です。

ウイルス性イボの検査方法

ウイルス性イボの診断は、複数の検査方法を組み合わせて総合的に判断します。当院では患者様の症状に応じて最適な検査を選択し、正確な診断を行っています。

視診

医師が肉眼で皮膚の状態を詳細に観察する基本的な検査です。
イボの形状、大きさ、表面の性状(ざらざらか平滑か)、周囲の皮膚との境界を確認します。
また、病変の数や分布パターンも診断の重要な手がかりとなります。典型的な外観を示す場合は、視診のみで診断が可能なことも多くあります

触診

医師が直接イボに触れて、硬さや可動性、周囲組織との癒着の有無を確認します。
ウイルス性イボは通常、周囲の正常な皮膚より硬く、境界が明瞭であることが特徴です。
圧痛の有無も確認し、特に足底のイボでは歩行時の痛みの原因となっているかを評価します。

ダーモスコピー

特殊な拡大鏡を用いて皮膚を1020倍に拡大して観察する検査です。
肉眼では確認できない微細な構造や血管パターンを詳細に観察できます。
ウイルス性イボでは、点状出血や糸球体様血管など特徴的な血管パターンが確認でき、たこやうおのめとの鑑別に極めて有用です。
非侵襲的で痛みもなく、その場で結果が分かる利点があります。

皮膚生検

診断が困難な場合や、他の皮膚疾患との鑑別が必要な場合に行います。
局所麻酔下で病変の一部または全体を採取し、顕微鏡で組織を詳細に観察します。
ウイルス感染に特徴的な表皮の肥厚、乳頭腫様増殖、空胞細胞の存在などを確認することで、確定診断が可能となります。
悪性腫瘍との鑑別が必要な場合にも重要な検査です。

ウイルス性イボの治療法

冷凍凝固療法(液体窒素)

ウイルス性イボの標準的な治療法として、-196℃の液体窒素を用いた冷凍凝固療法があります。
感染した皮膚組織を凍結・解凍することを1回の治療で5回程度繰り返し、凍傷と同様の状態を作ることでウイルスに感染した細胞を破壊します。
この治療により、それまで免疫を回避していたウイルスに対する免疫反応が活性化され、治癒が促進されます。

治療効果は病変の場所や大きさに左右されます。
手のひらなど皮膚が薄い部位では数回の治療で改善することもありますが、足底や指など皮膚が厚い部位では、12週間間隔で数ヶ月継続する必要があります。
保険診療では月4,5回まで、1週間以上の間隔での治療が適用されるため、根気強く定期的な通院が大切です。
早期治療が治療期間短縮につながりますので、イボを疑った時点での受診をお勧めします。

冷凍凝固法の動画

スピール膏(サリチル酸絆創膏)

皮膚の厚い部位、特に足底のウイルス性イボには、角質軟化作用のあるスピール膏が有効です。
サリチル酸を含有したテープを病変部に適切なサイズに切って貼付し、紙テープで固定します。
毎日継続することで、肥厚した角質が白く軟化して剥離し、イボが徐々に縮小します。

スピール膏も保険適用で処方可能ですが、正しい貼付方法が重要です。
不適切な使用により健康な皮膚を傷めることもあるため、医師の指導のもとで使用することが推奨されます。
液体窒素療法と併用することで、より高い治療効果が期待できます。

CO2レーザー(炭酸ガスレーザー)

局所麻酔後にレーザーでイボの組織を蒸散させて除去する方法です。
液体窒素療法より治癒率が高く、短期間での治療が期待できますが、治療後は傷口を軟膏で保護する期間が必要です。
再発を防ぐために、レーザー後の継続的な治療が必要な場合もあります。

その他の治療選択肢

多発性のウイルス性イボや難治例には、ヨクイニン(ハトムギエキス)の内服が有効な場合があります。免疫調整作用により、体の内側からウイルスへの抵抗力を高める効果が期待できます。ウイルス性イボは自然に治ることもありますが、放置すると大きくなって増え、家族にうつるリスクもあります。特に足底のイボは放置すると難治化しやすいため、早めの受診が重要です。

まとめ

当院では、視診・ダーモスコピーを用いた正確な診断と、液体窒素・スピール膏・レーザーなど複数の治療法を組み合わせ、患者様の症状に合わせた最適な治療をご提案しています。

お気軽にご相談ください。

監修医師紹介

院長

小さなお子様からご年配の方まで花岡 佑真

経歴

  • 2005年智辯学園和歌山中学校・高等学校 卒業
  • 2011年大阪大学医学部 卒業関西労災病院 初期研修医
  • 2013年関西労災病院 皮膚科
  • 2015年大阪みなと中央病院 形成外科
  • 2016年大阪大学大学院医学系研究科皮膚科 特任研究員(形成外科診療にも従事)大阪国際がんセンター 腫瘍皮膚科
  • 2018年大阪大学大学院医学系研究科皮膚科 特任助教
  • 2020年大阪大学大学院医学系研究科皮膚科 病棟医長
  • 2021年10月千里皮膚科 開院

資格・所属学会

  • 日本専門医機構認定皮膚科専門医
  • 難病指定医
  • 日本皮膚科学会所属
  • 日本形成外科学会所属
  • 日本皮膚外科学会所属
  • 日本皮膚悪性腫瘍学会所属
  • 日本美容皮膚科学会所属
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